■以下http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20064430,00.htm?ref=rss
の記事
オープンソースソフトを家電店が“自社開発”と偽って販売
岡田大助2004 年2月20日 19時34分
オープンソースソフト開発者がフリーソフトウェアとして公開していたHDDレコーダー用ソフトが、ある家電店で“自社開発”のソフトウェアとして HDDレコーダーとともに販売されたことが、インターネット上で話題になっている。
“自社開発”と偽ってバンドル販売されたのは、NEC製HDDレコーダー「AX-10」上で動作するサーバソフト「wizd on NEC AX home AV server」。これは、Linux上に置いてあるムービーファイルをVertex Linkが販売しているホームネットワーク型マルチメディアプレーヤ「MediaWiz」で再生するためのサーバソフト「wizd」を、NEC製HDDレコーダー「AX-10」用に改造したもの。
家電店では、改造版wizdを作者に無断でバンドル販売し、ユーザーサポート先として作者の連絡先を記載していた。このため、作者に対して「操作法がわからない」「返金せよ」という苦情メールが殺到した。
今回問題になった点はいくつか挙げられる。まず第1に、オープンソースソフトを家電店が勝手に“自社開発”として販売したこと。この際、もともと付属していたドキュメント類は削除されていた。第2に、改造ソフトをAX-10にインストールすることでメーカーからの製品サポートを受けられなくなることを顧客に一切説明しなかったこと。そして第3に、製品のサポート先として改造ソフトの作者のメールアドレスのみを記載し、サポートを作者に丸投げしていたことが挙げられる。作者は、殺到する苦情メールのおかげで通常の開発作業ができず、また精神的な苦痛を強いられている。
家電店がライセンスや操作方法などを記したドキュメントを一切削除したことが、問題を大きくしている。オリジナルのwizdのライセンスは「複写、移植、改変、転載、再配布、すべて許諾します。用途を問わず、好きにしてもらってかまいません」と極めて曖昧になっている。しかしながら、オリジナル版にAX-10用の付加機能を追加した改造版wizdのライセンスには、「このパッケージはwizd以外のライセンスが含まれており無断での再配布また他サイトでの二次配布および商用利用等の利用は行うことができません」としっかり記されている。
また、ドキュメントの中には「このソフトウェアはNECの公式アップデートではありません、インストールした場合NECの保証を受けられなくなる可能性があります。 利用者の自己責任でのご利用をお願いしております」との一文もあり、家電店がドキュメントを削除したことで、ユーザーに混乱が生じている。
さらに、サポート用問い合わせ先として、作者のhotmailメールアドレスのみを記載し、URLや配布サイト名などは伏せられていた。作者によると、「非常に険悪なメールが多数(1日に30~40通)無視すれば無視をするほど同じ内容を何十通と送られてくる」という。作者のメールサーバをパンクさせるほどのメールが殺到しており、通常のメールが埋もれてしまったりエラーではじかれてしまったりしているという。
作者はこの家電店に対して事実確認の電話を行ったが、家電店と本部をたらいまわしにされたという。以後、メールによる事実確認を行ったが、「そんな事実はない」「アルバイトが勝手に企画したことなのでわからない」といった返答が戻ってきた。それどころか、「これで有名になったんだから良かったと思ったほうがいい」「ユーザーサポートの費用払ってやってもいい」「その代わりソフトの権利はウチの会社でもらう」「所詮タダで配っているソフトだから誰の著作権も何もない」などといった的外れな返答まで来る始末だ。
作者は、改造ソフト販売の停止、店頭での謝罪分の掲示、購入者へ5000円の返金(作者によれば、バンドル販売以外にもソフト単体を5000円で販売していたという)を求めている。現在、家電店側の対応を待っている状態だ。
どこの家電屋???
■以下http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=04/02/18/1518210より
オープンソースソフトを自社製として販売、サポート作者丸投げ
HDDレコーダ用ツールwizdをNEC AX-10などでも使えるように改良しているハードディスクレコーダー総合ハッキングガイドの成果物をHDDレコーダに添付して販売した家電店が現れ、騒ぎになっている。作者のページにまとめられている事件概要を要約すると、家電店がAX-10用wizdを自社とメーカの共同開発品として製品にCD-Rで添付した上で、メーカー保障が無効になることを説明せず、ドキュメント類を削除し、自社のサポート先として作者のメールアドレスを記載していた。他にもネットで入手できることを黙ったまま5000 円で単体販売もしていた。なにも知らなかった作者のところに返金をもとめたりするクレームのメールが突然大量に舞い込んで発覚した。現在は店が店頭での返金に応じるが、謝罪や告知は行わない、という方向で収束したようだが、途中で店側が開き直るなど、平和的な解決とは言いがたい。
今回の事件の原因のひとつにwizdのライセンスがとても曖昧であることがあげられる。『ややこしい事は言いません。複写、移植、改変、転載、再配布、すべて許諾します。用途を問わず、好きにしてもらってかまいません。[...]ソース公開義務はありません。勝手にCopyrightとか付けて再配布してもかまいません。ただし、以後の責任は取るように。』(wizdのページより)と、オープンソースソフトウェアの範疇ではあるが、そもそもライセンスと呼ぶことすら少し無理があるものになっている。今回は店舗が「責任」を果たさなかったために騒ぎになったわけだが、このライセンスを読んで何をしてもいいと思ったとも十分に考えられる。もし家電店が逆キレしたまま営業妨害などの裁判になっていた場合、このような曖昧なライセンスではリスクがとても大きい。ソフトを公開するときには自分でライセンスっぽいものを書き下ろすのではなく、公開の目的をよく考えた上で、なるべく広く知られている、ちゃんと書かれた既存のライセンスを採用することを強く勧めたい。
フリーソフトなのに適当な配布を行うと、なんつーか面倒なことになってしまうということか?
■以下http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=04/02/18/1518210より
Re:誤解しないように! (スコア:5, 参考になる)
Anonymous Coward : 2004年02月19日 3時15分 (#498866)
だから、あの顛末文を書いたの(というか被害者?)はAX10USER氏であって、 wizdオリジナル作者ではないと言っておろうに・・・
ついでに問題点のまとめ
店とソフト開発者間の問題点
* 「自己責任で」と明記した上で公開されているソフトを店が勝手にバンドルして販売し(ここまでは多分問題無い)、問い合わせのあった客に「店は関係無い、作者に聞け」と言ってAX10USER氏へ問い合わせが行くように仕向け、本来AX10USER氏には義務の無いサポートをさせようとした。
* 問題を指摘したAX10USER氏に対して「これで有名になったんだから良かったと思ったほうがいい」 「ユーザーサポートの費用払ってやってもいい。 その代わりソフトの権利はウチの会社でもらう。サポート費用は月1000円」 「所詮タダで配ってるソフトだから誰の著作権も何もない、 ウチでつくってるといえばウチのもんだよ。」 など、罵詈雑言を浴びせた。
* 購入した顧客へも迷惑をかけたのだから店頭へ謝罪文を張り出して欲しい。またAX10USER氏のWebへその謝罪文を掲載させて欲しいと要求すると「店舗での謝罪文はショップとしてのイメージを損ねる恐れがあるため、告知にとどめさせていただく。店舗名・所在地の公開は品位を損ねる可能性があるので公開はやめていただきたい。」という回答だった
店と購入した顧客との間での問題点
* 「当店とメーカー共同開発のソフトウェアが搭載」と称して販売されていたため、当然メーカーサポートがあるものと考えて顧客は購入したと思われるが、メーカーであるNECの保証対象外のソフトを入れた事になるので、メーカー保証が効かなくなる。
* AX10USER氏の配布物に含まれたドキュメント等が削除されていたため、ライセンス等を知る事ができない。また、AX10USER 氏のWebのアドレス等も知る事ができず、AX10USER氏のメールアドレス以外、何の情報も得られない状態になっている。
その他の問題
* NECに著作権があり、再配布を禁止されているインストーラが同梱されている(AX10USER氏の配布物には含まれていない。入手法は書かれている)
ざっとこんな感じでしょうか。
■以下http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=04/02/18/1518210より
洗礼だと思われます。 (スコア:4, 参考になる)
Anonymous Coward : 2004年02月19日 8時09分 (#498923)
商用利用される可能性があるソフトウェアを公開しようとされる方は
今から覚悟をして下さい。私ですら何度かトラブルを経験しました。
私の方は大黒字(商用時有料での公開の為)ですのでへっちゃらですが、
赤字だとサイトを閉鎖したくなる程の衝撃を受けそうです。
どぎつい内容のライセンス条件を提示されているサイトは
大抵何かトラブルを受けたのち、ライセンスの追加や書き換えを
行って最終的にキツイ内容に落ち着いたと言う物だと思われますので
どぎついライセンス条件を提示されているサイトの物を
参考にして使用条件を書くのがするのが良い作戦です。
■以下http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=04/02/18/1518210より
Re:洗礼だと思われます。 (スコア:2, すばらしい洞察)
itoshikazu (15602) : 2004年02月20日 5時46分 (#499545) ホームページ
フリーではあるがライセンスの変更を認めないGPL以外のライセンスのモノと組み合わせる事ができない。
確かに、この部分だけをとってみれば、結果としてGPLが不便なものになっているのは事実ではあります。でもそれは、GPLが不自由なのではなくて、GPLと組み合わせる他のソフトのライセンスの方が不自由なのであって、GPLに責任はないと私は思います。たとえば、BSDライセンス(宣伝条項なし)のソフトをGPLソフトに組み合わせてGPLで配ることには何の問題もないわけで。
GPLは自由を広めるための不自由なライセンスであって、本当に自由なライセンスというのはBSDのような「他の部分にまで強制力を働かなさない」ライセンスだと思います。
BSDライセンスは、BSDライセンスで配布されたソフトの派生物を自由に利用することができない可能性を残しているという点で、むしろ不自由なライセンスだと私は思います。
■以下http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=04/02/18/1518210より
wizdは (スコア:2, 参考になる)
Anonymous Coward : 2004年02月19日 1時11分 (#498771)
元々はHDDレコーダ向けのツールでなくてLinuxで動くメディアサーバデーモン (MediaWizは元々Windowsマシン向けのサーバアプリが付いて来るけれど)
それをLinuxを積んだHDDレコーダでも動くように改良したバージョンをHDDレコーダと付けて売ったと。
タダで入手できるものを5000円で売るとか、元々メーカ保証が効かなくなる行動をそれを説明せずに薦めるとかモラル的な面が不味いというところかな。
フザけた態度である事は間違い無いけれど、こういうとてつもなく常識のない行動に対してライセンスは無力であった と。
ある程度の商品知識があれば引っかからずに済むんだから裁判しかけて勝てるかどうかは微妙な所なんではなかろうか。
匿名の利を活かして、2chのスレとかこの辺にでも店舗名書いてしまうのが消費者のためだとも思う。
*
Re:wizdは (スコア:4, 参考になる)
one-one (17888) : 2004年02月19日 2時06分 (#498823) 日記
タダで入手できるものを5000円 で売るとか、
それをいい始めたら初期のTurboLinuxとかもモラルがないということに……
OpenSourceのビジネスって基本的にただで入手できるものに packageの選択とかサポートとかの付加価値をつけてやるものでしょう.
でも ここはそのサポートをやるわけでもないばかりか ページ作者にそのサポートを押し付けたりしてるってのも問題なわけですよね
■以下http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=04/02/18/1518210より
Re:先人の知恵 (スコア:1, 興味深い)
Anonymous Coward : 2004年02月19日 1時46分 (#498801)
アメリカの法に則り記述されたライセンスは国内でもそのまま有効なのでしょうか?
それはさておき、私もいくつかフリーソフトを作って公開していますが、GPLやらBSDやらを採用する気はまったくありません。
私の場合、ソフトを作った目的は、自分が便利なツールを作るからで、それ以上でもそれ以下でもありません。ライセンスというより思想(宗教)と化しているGPLとかBSDライセンスを適用するには、その思想(宗教)理解から始める必要があり、それは「めんどくさい」からです。
そもそもヒゲの偉い人(笑)との談話集などを読むと、精通している思われる関係者ですら間違えて理解しているのも多いし……。
ってかそんな面倒な作業が当たり前なら公開しない方を選ぶヨ。
フリーソフトも面倒だね
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